乗馬上達のコツ!襲歩(しゅうほ)の意味や実践時の注意点を徹底解説

【乗馬用語】襲歩(しゅうほ)とは?特徴や歴史、駈歩との違い

襲歩(しゅうほ)とは?

襲歩(しゅうほ)とは、馬の歩法(歩き方・走り方)の中で最も速い「全速力で走る状態」を指す言葉です。英語では「ギャロップ(Gallop)」と呼ばれ、競馬のレースで競走馬がゴールに向かって疾走している姿をイメージすると分かりやすいでしょう。

馬の基本的な歩法には、常歩(なみあし・並足)、速歩(はやあし)、駈歩(かけあし)があり、襲歩はそのさらに上位に位置する最高スピードの走り方です。駈歩が3本の脚の着地音のリズム(3拍子)であるのに対し、襲歩は脚が1本ずつバラバラに着地する「4拍子」のリズムになるのが大きな特徴です。

襲歩(しゅうほ)の歴史と背景

「襲歩」という言葉は、古くから軍馬や狩猟の現場で使われてきた歴史があります。「襲」という漢字には「重なる」や「おそう」という意味があり、馬が連続して素早く脚を繰り出し、獲物や敵陣へ突進していく様子から名付けられたといわれています。

古来、野生の馬にとって襲歩は、肉食動物などの天敵から命がけで逃げ延びるための「非常手段」でした。そのため、馬の身体にとって非常に負担が大きく、長距離を持続して走り続けることはできません。近代以降、競馬(サラブレッドの競走)の発展とともに、より速く、より効率的に走るためのフォームや騎乗技術(モンキー乗りなど)が研究され、現代の洗練された襲歩の技術へと進化してきました。

襲歩(しゅうほ)の3つの特徴

襲歩には、他の歩法(常歩・速歩・駈歩)とは異なる際立った特徴が3つあります。

  • 特徴1:時速60kmを超える圧倒的なトップスピード:サラブレッドの襲歩時の平均時速は約60km〜70kmに達し、短距離では時速70kmを超えることもあります。これは馬が出せる極限のスピードです。
  • 特徴2:1本ずつ脚が着地する「4拍子」のリズム:一見すると駈歩と同じように見えますが、スピードが上がって歩幅(ストライド)が伸びることで、斜めの2本の脚の着地タイミングがズレて「後肢→逆の後肢→前肢→逆の前肢」と1本ずつ順番に着地する4拍子になります。
  • 特徴3:4本の脚すべてが地面から離れる「完全な滞空期」がある:体を大きく伸縮させて走るため、1完歩(1歩のサイクル)の中に、すべての脚が宙に浮く「滞空期(フライトフェーズ)」が存在します。これにより、ダイナミックで大きな推進力を生み出しています。

襲歩(しゅうほ)に関連する豆知識・注意点

襲歩について知っておくと乗馬や競馬の観戦がさらに面白くなる豆知識と、安全に関する注意点を紹介します。

一般的な乗馬クラブでは基本的に行わない

乗馬クラブのレッスンで習得するのは駈歩(かけあし)までであり、基本的に一般のレッスンで襲歩を行うことはありません。全速力で走る襲歩は、馬をコントロールすることが非常に難しく、万が一の落馬事故のリスクが極めて高いためです。広い馬場や競馬場などの専用の環境と、高度な騎乗技術が必要不可欠となります。

走るリズムに合わせて呼吸をしている

馬は襲歩で走っている間、自分の走るストライド(体の伸縮)に呼吸を完全に同期させています。体を伸ばしたときに息を吸い、体を縮めて後肢を引き込んだときに息を吐き出します。そのため、走るペースが乱れると呼吸も乱れてしまい、スタミナを急激に消費することになります。

まとめ

襲歩(しゅうほ)は、馬が持つ能力を最大限に発揮した「時速60kmを超える最速の4拍子の歩法」です。日常の乗馬レッスンで体験する機会は少ないものの、競馬中継などでその迫力ある走りとメカニズムに注目してみると、馬の運動能力の素晴らしさをより深く実感できるでしょう。

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